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横山 佳祐; 上羽 智之
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(10), p.1219 - 1227, 2023/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)高速炉で中燃焼度まで照射された中実・中空MOX燃料ピンの照射挙動解析を行った。照射後試験において、中空燃料ピンでは、Cs濃度の局所的な増加がMOX燃料カラムと上下ブランケットペレットの境界部近傍において確認された。一方、中実燃料ピンでは、被覆管外径の増加がMOX燃料カラム全域にかけて大きくなっていること、中空燃料ピンではこの外径増加が抑制されていることが確認された。計算コードによる解析の結果、Cs濃度の局所的な増加は、中空MOX燃料の外表面温度が中実燃料の外表面温度よりも高く、MOX燃料カラムからブランケット部へのCs軸方向移動が促進されたため生じたと評価された。また、中空MOX燃料における外径増加の抑制は、照射初期に燃料中心部への照射クリープ変形が生じることによると評価された。以上より、中空MOX燃料ピンは燃料被覆管の外径増加を抑制する効果があるが、Csの軸方向移動を促進することがわかった。
上羽 智之; 横山 佳祐; 根本 潤一*; 石谷 行生*; 伊藤 昌弘*; Pelletier, M.*
Nuclear Engineering and Design, 359, p.110448_1 - 110448_7, 2020/04
被引用回数:1 パーセンタイル:11.54(Nuclear Science & Technology)高速炉で高燃焼度を達成した軸非均質MOX燃料ピンの照射挙動を、連成した計算コードを持ちいて解析した。照射後試験では、軸非均質燃料ピンのMOX燃料カラムと上下・内部ブランケットカラムの境界部近傍において、Cs濃度とピン外径の局所的な増加が確認されている。解析の結果、Cs濃度増加はMOX部からブランケット部へのCsの軸方向移動によるものであると評価された。また、Cs-U-O化合物の形成によるブランケットペレットのスエリングは、PCMIを引き起こすほど顕著には生じていないと評価された。ピン外径増加に及ぼすPCMIの寄与は小さく、外径増加の主な要因は、被覆管スエリングとピン内ガス圧による照射クリープであると評価された。
岩井 孝; 中島 邦久; 荒井 康夫; 鈴木 康文
IAEA-TECDOC-970, 0, p.137 - 153, 1997/10
高速炉用新型燃料として期待されるウラン-プルトニウム混合窒化物及び炭化物燃料をJMTR及びJRR-2で照射し、核分裂ガス放出を調べた。優れた熱的特性を活かしたコールドフューエル概念の採用により核分裂ガス放出を抑制できることが確認された。また、熱安定型ペレットの導入により核分裂ガス放出を5%FIMA燃焼度で2~3%に低減できた。その他、核分裂ガス放出の抑制にも拘らず、燃料と被覆管との機械的相互作用に有意の影響は認められなかった。実験データの解析から、核分裂ガス放出は開気孔率に強く依存することが示唆されている。
鈴木 康文; 荒井 康夫; 岩井 孝; 中島 邦久
Proc. of Int. Conf. on Future Nuclear Systems (Global'97), 1, p.522 - 527, 1997/00
高速炉用新型燃料であるウラン・プルトニウム混合炭化物燃料の照射挙動を調べた。SUS316被覆の9本の燃料ピンをJRR-2及びJMTRでキャプセル照射し、線出力42-64kW/mで最高燃焼度は4.7%FIMAに達した。燃料ピンの破損は認められなかった。試験結果からFPガス放出は、燃焼度の他に開気孔率に依存することが確認されたほか、組織再編、FP及びアクチノイドの分布、機械的及び化学的相互作用について知見を得た。
田崎 雄大; 宇田川 豊
no journal, ,
FEMAXI/RANNSは、軽水炉燃料の通常時及び異常過渡条件下の挙動解析を目的に日本原子力研究開発機構が開発を進めてきたFEMAXI-8の機能拡張バージョンであり、新たに反応度事故(RIA)時の燃料挙動追跡が可能となった。従前継続的に開発してきた事故時挙動解析コードRANNSをモジュールとしてFEMAXI-8に統合し、またRIAの非常に急峻な過渡時の燃料挙動解析を安定に実行するために、数値計算の収束性・安定性を強化したものである。原子炉安全性研究炉で実施されてきたRIA模擬試験の内、141ケースで得られた実測データとの比較により解析性能の検証を行い、またこれを通じて、幅広いRIA条件に対し一定の予測性能を確保できる推奨モデルパラメータセットを決定した。このとき、全試験ケースで解析は正常に完了し、被覆管表面最高温度について解析値/測定値間の絶対値誤差の標準偏差は約120Cであった。
上羽 智之; 横山 佳祐; 生澤 佳久; 根本 潤一*; 石谷 行生*; 伊藤 昌弘*
no journal, ,
高速炉で照射したMOX燃料ピンでは、燃焼が進むと核分裂生成物(FP)のCsが燃料ピン内を移動すると同時に、燃料や他のFPと化合物を生成する。このようなCsの挙動が燃料ピンの照射挙動に及ぼす影響を評価するため、照射中の燃料ピンの熱・機械的挙動を解析する計算コードとCs挙動の解析に特化した計算コードを連成する手法を整備し、高燃焼度燃料ピンの照射挙動を解析した。解析結果と照射後結果の比較から、連成した計算コードは燃料ピンのCs挙動について妥当な評価ができると考えられる。